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シュラウド・再循環系配管サンプル調査チーム
JAERI-Tech 2004-012, 62 Pages, 2004/02
東北電力(株)女川原子力発電所1号機(沸騰水型)では、第15回定期検査の際に、炉心シュラウド中間部リングH2及び下部リングの溶接線近傍にき裂が確認された。本調査は、東北電力(株)が日本核燃料開発(株)にて実施するき裂を含む材料サンプルの調査・評価に関して、原研が第三者機関として加わり、最終的な調査データを入手し、原研独自の報告書を作成することにより、調査の透明性を確保することを目的として実施した。本調査により、以下のことが明らかになった。(1)中間部リングの外表面近傍には150250m程度の深さまで硬化層が存在した。(2)き裂の内部には腐食生成物が付着しており、腐食が粒内へ進行した部位も見られた。(3)中間部リング外表面近傍から100m程度の深さの領域では主として粒内割れが観察され、200m程度の深さより内部の領域では、粒界割れが観察された。(4)結晶粒界には、熱鋭敏化材に見られるようなCr濃度の顕著な低下傾向がなかった。(5)中間部リング材料の化学組成は、JIS規格SUS304Lに相当する組成であった。本調査の結果と、溶接によりき裂部付近に発生していたと考えられる引張残留応力及び炉水中の溶存酸素濃度等を考慮すると、き裂は応力腐食割れ(SCC)であると結論される。
菱沼 章道
プラズマ・核融合学会誌, 70(7), p.697 - 703, 1994/07
核融合炉の有力な候補材料について、それらの可能性と限界について解説した。実験炉の第一候補材であるオーステナイト鋼は、一般工業材料として既に成熟しており、また照射データを含む設計に必要なデータが揃っている。しかし、照射によって延性が著しく低下するなど従来の設計コードの範囲をはみ出す現象が起ることが明らかにされており、今後材料、設計両面からの対策と検討が必要である。フェライト鋼は高温強度、照射脆化などの点で限界があるが、原型炉以降の候補材料の一つである。バナジウム合金、セラミックス複合材料や金属間化合物など先進材料はそれぞれ核融合炉材料として魅力を有しているが、依然として実験室規模の材料で将来工業材料に育てるにはかなり時間が必要である。また、どんな材料であれ照射による脆化は避けられないことから、脆性的材料を使いこなす知恵をつけることが不可欠である。
鈴木 康文; 岩井 孝; 笹山 龍雄; 前多 厚; 荒井 康夫; 塩沢 憲一; 大道 敏彦
JAERI-M 91-078, 39 Pages, 1991/05
高速炉用新型燃料として期待されるウラン・プルトニウム混合窒化物燃料の照射挙動を把握し、その健全性を実証するために、第2回JMTR照射試験にむけて燃料ピン2本を製作した。窒化物燃料の被覆管との機械的相互作用(FCM1)を抑制することを目的として、フェライト系ステンレス鋼被覆燃料ピンを新たに導入し、従来のオーステナイト鋼ステンレス被覆燃料ピンと組合せ、比較試験を行う計画である。これらの燃料ピンは1991年1月から目標燃焼度50GWd/tを目指して照射が開始されている。